- 機械設計技術者試験3級って独学で合格できる?
- 効率的な勉強方法が知りたい
この記事でわかること
- 機械設計技術者試験3級に独学で合格する方法
- 合格に必要な勉強時間
- お金をかけずに合格する方法
- おすすめの参考書・解説サイト
私が実践していた機械設計技術者試験3級に独学で合格する方法を紹介しています。
自己紹介
- 機械系の大学院を修了
- 学生時代に機械設計技術者試験3級に独学で合格
- 元・大手メーカーの開発職
合格に必要な勉強時間
結論からいうと
独学で100時間ほどでした。
機械設計技術者試験3級に向けた勉強時間の記録は以下の通りです。
試験は11月21日だったので、4ヶ月前から勉強を始めたことになりますね。
後半で詳しく解説しますが、勉強時間の9割は過去問を解いていました。
機械設計技術者試験3級の勉強方法
各科目の具体的な勉強方法の前に、大まかな方向性を解説します。
過去問だけで合格できる
公式サイトで公開されているのは過去問と正答だけで解答例と解説は非公開です。
日本機械設計工業会の過去問題集を購入すれば解説も見られます。
(2024年5月ごろまでは下記問題集↓が最新版のようです)
最新版ではありませんが、令和2年度〜平成30年度の3年分の過去問題集もあります。
過去問題集には解答例や解説があるので便利です。
しかし、自力で過去問の解答を作成するのもおすすめです。
公式でも「お金をかけない受験対策」として推奨されています。
●お金をかけない受験対策に挑戦!
なるべくお金をかけずに受験対策をしてみようという方は、過去問題(PDFファイルを掲載しています)の研究(解答に頼らず参考書などを使って自力で答えまで導き出してみる)という方法があります。
解答例のない問題を自力で解くのは時間も労力もかかると思いますが、その努力は自分の血や肉となり真の実力につながるでしょう。
日本機械設計工業会
私はノートに「過去問解答例」を自作していました。
解答を自作するには、さまざまな知識を調べて試行錯誤しなければなりません。
非効率に思えますが、単に知識や公式を覚えるだけでなく理論まで理解できます。
逆にいえば、
自力で過去問の解答を作成するだけで合格できます。
過去問の解答を作成すること自体が最も効果的な対策になるのです。
理論系と暗記系で分けて対策する
機械設計技術者試験3級には、計算がメインの理論科目と知識がメインの暗記科目があります。
理論科目:機構学、機械力学、制御工学、材料力学、熱工学、流体工学
暗記科目:工業材料、工作法、機械製図
まずは理論科目をじっくり勉強しましょう。
理論系の方が科目数が多く、理解するまでに時間を要します。
暗記科目は試験が近くなってからでも大丈夫です。
暗記したい知識は以下のようにEvernoteを活用してまとめていました。
広く浅く出題される
機械設計技術者試験3級は9科目も主題されます。
出題範囲が広いぶん、頻出問題は決まっており内容も基礎レベルです。
一つひとつの科目を深追いしていては時間が足りないので、苦手科目は割り切って他でカバーするのもアリです。
関数電卓に慣れておく
機械設計技術者試験3級の問題は全てマークシート方式です。
記述問題はないので計算ミスをすればゼロ点です。
関数電卓の使用が前提となる問題もあるので、日頃から電卓での計算に慣れておきましょう。
各科目の参考書・解説サイト
私が過去問の解答を作成するときに読んでいた参考書やサイトを紹介します。
ちなみに参考書はすべて大学の図書館で借りたので費用は0円です笑
大学生は図書館をフル活用してみてくださいね。
機構学・機械要素設計
機械要素設計は苦手だったので最低限しか勉強していません。
過去問を見ると軸受、歯車、ねじに関する問題が頻出です。
機械要素の特徴を問う問題や、簡単な力学計算を求められる問題もあります。
機械要素の特徴はMONO塾のサイトで、力学計算は参考書で学びました。
どちらも初学者に向けてわかりやすく、丁寧に書かれているのでおすすめです。
機構学は力学の延長なので特別な対策はしませんでした。
機械力学
機械力学は高校物理の延長なので重点的な対策はしませんでした。
復習として『機械設計技術者のための4大力学』の機械力学の章を読みました。
『機械設計技術者のための4大力学』があれば機械力学、材料力学、熱工学、流体工学の対策が一冊でできるので便利です。
制御工学
大の苦手科目だったので易しめの参考書で勉強しました。
『はじめての制御工学』は制御工学に苦手意識のある人にはおすすめです。
制御工学に欠かせないラプラス変換の詳しい解説もあるので初学者にピッタリです。
工業材料
過去問を解けばわかりますが毎年同じような問題が出ます。
私は参考書を使わずにその都度ネットで調べました。
炭素鋼の熱処理など鉄鋼材料に関することと、アルミなど主要な金属材料の特徴と用途を勉強しておきましょう。
熱処理については東部金属熱処理工業組合の解説ページが参考になりました。
材料力学
材料力学は『材料力学(JSMEテキストシリーズ)』で勉強していました。
機械系の人にはお馴染みの教科書だと思います。
材料力学はSFD(せん断力図)とBMD(曲げモーメント図)あたりが関門です。
『材料力学(JSMEテキストシリーズ)』には演習問題もたくさんあるので、手を動かしながら勉強することができます。
流体工学
流体工学は出る問題のパターンが限られています。
私は大学で使っていた『流体力学(1)』という渋い参考書で勉強していました。
流体工学は過去問の演習で十分なので、参考書は基本的な公式の使い方を復習する目的で使っていました。
熱工学
基本的な熱サイクルと伝熱工学が理解できていれば十分です。
私は大学で使っていた『熱力学(JSMEテキストシリーズ)』でカルノーサイクル、オットーサイクル、伝熱を復習しました。
JSMEテキストシリーズは公式の導出も丁寧に解説されているので、理論までしっかり理解することができます。
サイクルと伝熱を学べば、あとは過去問演習で大丈夫です。
工作法
個人的に工作法の対策が最も難しかったです。
私は工作法の予備知識がなかったので苦労しました。
さらに、出題範囲を全てカバーした参考書がないので過去問の不明点をその都度ネットで検索していました。
特にミスミやキーエンスをはじめとした機械加工関連の企業の技術情報が非常に役立ちました。
工作法の対策に苦労している人は企業の解説ページに頼ってみましょう。
機械製図
機械製図は得点源です!!
問題数も多く、毎年似たような問題が出るので念入りに対策しましょう。
機械製図で確実に得点を稼げると合格がグッと近づきます。
出題内容は製図する上での決まり事がメインです。
機械製図の決まり事の多くはJISで定められているのでどの参考書でも特段問題はないと思います。
私は大学で使っていた教科書で勉強をしたので、参考として紹介しておきます。
まとめ
この記事では、私が実践していた機械設計技術者試験3級に独学で合格する方法を紹介しました。
機械設計技術者3級は科目数が多く、対策が大変だと思います。
そのため試験の特徴と科目ごとの出題傾向を踏まえて勉強することが重要になります。
勉強する過程でアレコレ悩むと思いますが、その悩みを一つひとつ潰すことで合格に近づけます。
これから受験する人は頑張ってください!
私も2級に合格に向けて頑張ります。
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