この記事では、修士号を持つ私が大学院に進学してよかったと思う理由を紹介します。
こんな人にオススメ
- 大学院に進学するか迷っている人
- 大学院に行くメリットがわからない人
- 大学院に進学する目的が曖昧な人
「理系は大学院に行くべき」とよく聞きますよね。
とはいえ、大学院に行くかどうか迷っている理系大学生も多いのではないでしょうか。
私も「学費が足りない」「就職が遅れる」といった理由で大学院に進学することを躊躇っていました。
結果としては奨学金を借りて大学院に進学したのですが、社会人となった今、大学院に行っておいて本当によかったと思っています。
大学院に進学してよかったと思う理由のひとつが、
「伝える力」を伸ばせたからです。
伝える力とは、自分の意見や考えを相手にわかりやすく伝える力です。
伝える力が向上すると、相手の意見を理解する力も向上します。
そのため今まで以上にコミュニケーションが円滑になり、誤解されることが減って、より深い話ができるようになります。
私は「伝える力」のおかげで、就職活動や仕事を円滑に進められるようになっただけでなく、恋人や友人との関係を深めることもできました。
では、どうして大学院で「伝える力」を伸ばすことができたのでしょうか。
この記事では、私が大学院で身につけた「伝える力を伸ばす3つのスキル」を紹介したいと思います。
- 自分の考えを論理的に説明するスキル
- 正確かつ端的な文章を書くスキル
- プレゼンテーションスキル
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
自分の考えを論理的に説明するスキル
大学院では、学術的な研究をします。
そして研究は、現時点で誰も答えを知らない問いの解決を試みます。
つまり、自分のオリジナルの答えを見つけ、その答えが正しいことを他の人にもわかるように説明しなければなりません。
入試問題のように答えありきの問題なら、答えが合ってさえいればクリアです。
しかし、現時点で自分以外が答えを知らない問題ならば、答えだけを伝えても誰も納得してくれません。
せっかく正しい答えを導き出せても、他の人に理解されなかったらあなたの研究は無価値同然です。
地動説を唱えたガリレオのように、理不尽な理由で学説が否定されることは現代ではありません。
自分の考えを論理的に説明することさえできれば、価値ある研究として認知されます。
そのため、研究を進める上で論理的思考は不可欠です。
特に次の3つのことを、論理の矛盾や飛躍なく説明することが常に求められます。
- なぜ、あなたの研究が必要なのか(有効性)
- あなたの研究は、他の研究と何が違うのか(新規性)
- 検証する方法、理論的な考察に穴がないか(信頼性)
学会発表や論文執筆はもちろんのこと、研究室内での進捗報告や、指導教員との相談の際にも論理的な説明が求められます。
したがって、研究に取り組んでいれば嫌でも論理的思考力が育てられ、大学院を修了する頃には自分の考えを論理的に説明できるようになっているはずです。
私は研究だけでなく、本やニュースを読んで思ったこと、日頃の自分の行動原理までも論理立てて説明するようになっていました。
ここまでいくと「理屈っぽい人」として面倒がられるかもしれませんが、大学院は論理的思考力を養うのには打ってつけの場所です。
人を動かすには情と理の両方が必要とよく言われます。
情とは感情、心情、人情などのこと。理とは論理、理屈、理性などです。
感情に訴えかけるだけでは共感は得られても、誰も動いてはくれません。
やはり、人間関係を円滑にするには情と理の両方をバランス良く持ち合わせることが重要です。
私は理に寄りすぎて、情を欠くことが多いのでまだまだ未熟者です。
いずれにせよ、論理に代表される「理」は仕事をするのにも、人間関係を築くのにも欠かせません。
早いうちに論理的思考力を向上させた方が絶対に得なので、大学院に進学して論理的思考を鍛えることは素晴らしいことです。
正確かつ端的な文章を書くスキル
大学院では、文章を書く機会が学部時代よりも増えます。
研究成果は最終的に論文として発表することが多いからです。
私が所属していた研究室では、学部生も院生も半年おきに研究の進捗報告書を書いて先生に提出していました。
先生は報告書を通じて、研究内容はもちろんのこと、正しい文章の書き方も徹底的に指導してくれました。
最初は「そんなに細かいところまで修正するの?」と驚きましたが、研究内容が読み手に伝わってはじめてその研究の価値が生まれます。
あなたの研究のことを詳しく知らない人が読んでも、理解できるような文章でないとなりません。
そのために、特に次の二点を意識して文章を書くことが重要となります。
- 誤解を生まない正確な文章
- 専門知識がなくてもわかるような端的な文章
しかし、正確性と端的さを両立させるのは非常に難しいです。
正確に書こうとすると文章が複雑になってしまうからです。
私は大学院で、文章の正確性と端的さのバランスの取り方を学ぶことができました。
私の文章力はまだまだ未熟ですが、大学院で大きく成長できたのは事実です。
文章を書く機会は就職活動や社会人になってからも山ほどあります。
正確かつ端的な文章を書くスキルは一生使えるので、私は大学院で文章力を磨くことができて本当によかったと思っています。
プレゼンテーションスキル
大学院生になると文章を書く機会だけでなく、プレゼンをする機会も大幅に増えます。
私が所属していた研究室では、進捗報告会として毎月研究成果をプレゼン形式で発表する機会がありました。
これは学会発表を想定したもので、事前にスライドを用意し、質疑応答込みで一人30分ほどの時間が割り当てられていました。
私は院生時代に参加した学会発表に加え、研究室で毎月行われていた進捗報告会を通じてプレゼン能力を伸ばすことができました。
具体的に伸ばすことができたプレゼン能力は以下の通りです。
- 論理的な発表の構成を作る方法
- 人前で話す度胸
- 伝わりやすい話し方
- わかりやすい発表資料の作り方
繰り返しになりますが、自分の研究が相手に伝わらないと意味がありません。
「伝わらないと意味がない」ことは研究に限らないと思います。
就職活動において、どれだけ優れた志望動機や自己PRを用意しても面接官に伝わらなければ無意味です。
会社でも自分の仕事の成果を、お客様や上司にわかりやすく伝えられないと評価されないかもしれません。
まとめ
この記事では、私が大学院に進学したからこそ成長できたことを紹介しました。
それは「伝える力」です。
伝える力を伸ばすことで、今後の就職活動や仕事だけでなく、日常生活での人間関係も円滑にできます。
一つ目に紹介した論理的思考をベースに、文章力とプレゼン力を伸ばすことで「伝える力」が大きく向上します。
大学院に進学することのメリットはたくさんありますが、今回紹介したように自分を成長させられるのは非常に大きなメリットだと思います。
大学院への進学を迷っている人は、「自分をどう成長させたいか」という観点でも考えてみるといいかもしれません。
大学の研究室がどんなところなのか、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください!
今回の記事はここまでです。ありがとうございました。
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