- 工学部の機械工学科って何をしているの?
- 就職に強いって本当?
- つらいって本当?
この記事でわかること
- 学ぶ内容と実際の授業科目
- 就職の強さと就職先
- 機械工学科はつらいのか
この記事では、大学&大学院で機械工学を学んだ私の体験談をもとに機械工学科の実態を紹介します。
自己紹介
- 機械系の大学院卒
- 元大手メーカーの開発職
- 高校時代に機械、電気、情報で迷った
機械工学科で学ぶ内容
「そもそも機械工学科って何を学ぶところなの?」と疑問を抱いている方も多いでしょう。
一般的に機械工学科は工学部に属します。
(大学によっては理工学部と呼ぶところもありますが、基本は同じです)
工学部は有用なモノやシステムをつくり出すために必要な知識や技術を学ぶ学部です。
機械工学科では工学のなかでも「機械」に特化した内容を学びます。
機械工学科は機械をつくるために必要な知識や技術を学ぶ学科です。
重要なのは「つくるため」という部分です。
機械工学と聞いて、機械をいじくっている光景を思い浮かべる方も多いかと思います。
実際に「機械工学を学んでいた」と言うと、機械いじりが得意なやつだと誤解されがちです(笑)
しかし、実際は機械をいじることは少なくむしろ座学がメインです。
機械工学科では機械を「操作するため」ではなく、機械を「つくるため」に必要な知識・技術を学びます。
機械を「つくるため」に必要な知識と技術を超簡単にまとめると
学ぶ内容は「4種の力学 + 設計図の書き方 + プログラミング」です。
具体的な科目の一部を紹介すると、
とにかくたくさんあります(笑)
ここでは代表的なものだけ紹介します。
4つの「〇〇力学」
特に重要なのは材料、熱、流体、機械の関する4つの「〇〇力学」です。
高校物理の力学をベースとして材料、熱、流体(空気や水)、機械(の動作)に関する力や運動を考える学問です。
熱力学以外は馴染みがないかもしれませんが、機械をつくる上で欠かせない力学です。
もし、機械工学科に進学したいのなら力学への苦手意識は払拭しておいた方がいいと思います。
設計図の書き方
科目名としては「機械製図」と呼ばれることが多いです。
どんなに簡単な機械でも、つくるまえに設計図を書く必要があります。
機械を設計する人(開発・設計者)と、加工や組立てをする人(製造者)が異なることが多いからです。
開発・設計者の意図を製造者に伝える手段として設計図があります。
せっかく優れた機械を考えついても、正確につくってもらえないと意味がないですよね。
機械の設計図を書くにあたっては様々なルールがあります。
機械を設計し、ルールにもとづいて正確な設計図を書けるようになることがゴールです。
(ここは読み飛ばしてもOK!)
「設計」と「設計図」は必ずしも同じとは限りません。
「設計」は計算にもとづいて機械の構成や各部位の寸法、形状、材質を決定すること。
「設計図」は決定された事項を図面に書き起こすことです。
プログラミング
機械工学科ではプログラミングも学べると知ってましたか?
私は知らなかったので入学してから驚きました。
プログラミングと聞くと情報系の学科を思い浮かべると思います。
多くの機械は電力を用いて作動するため、機械を組み立てただけでは動きません。
機械を動かすための指示を出すときに「プログラミング言語」という人と機械の共通言語を用います。
機械工学科ではC言語というプログラミング言語を学ぶことが多いです。
将来的にIT関連の仕事をしたい人は、情報系だけではなく機械系の学科も検討してみてくださいね。
機械工学科は就職に強い
機械工学科を卒業した後はどのような業界・企業に就職するのでしょうか。
結論からいうと、
機械工学科卒の学生はどんな業界・企業からも求められています。
突然ですが、周りを見渡して「機械」を探してみてください。
たくさんありますよね。
さらに、お菓子やジュースなど機械でないものも機械によってつくられています。
スマホも、スマホ内にある部品も、部品の元となる材料もすべて機械でつくられています。
私たちの生活は機械のおかげで成り立っているのです。
つまり、「機械をつくるため」の知見を有する機械工学科卒の学生はあらゆる企業から求められています。
また、機械工学科ではITスキルや論理的思考力などあらゆる業界・職種で求められる能力を身につけることができます。
そのため、幅広い業界・企業に就職できるのです!
でも、やはり製造業界で働く人が多いです!
機械工学科にはものづくりが好きな学生が多いので、製造業に就職する人が多いのは当然ですね。
製造業以外にも建設業界、エネルギー関連、ITエンジニア、コンサルタント、公務員など多岐にわたる就職先があります。
もっと知りたい人は「〇〇大学 機械工学科 就職先」と検索して、気になる大学の具体的な就職先をチェックしてみてください!
機械工学科はつらい
機械工学科は実際どれくらい大変なのか気になりますよね。
正直、機械工学科は忙しいです。
よく「理系は忙しい」と言われますが、理系の中でも機械工学科は忙しい方です。
学ぶ内容が多岐にわたるうえ、製図やプログラミングなどの実技科目もあります。
大学によりますが、毎週実験をする学校もあります。
実験をしたら必ずと言っていいほど「実験レポート」を書かなければなりません。
しかも、実験は専門的な内容で毎週テーマが変わります。
先週はエンジンの分解・組立てに関する実験をしたのに、今週はパソコンと睨めっこをしながらプログラミングをしてロボットを動かす実験、そして来週は金属棒の強度を調べる実験、、、なんてことも。
実験を毎週こなしながら、設計図を書き、方程式を解くためのプログラムを作成し、さらに専門的な力学の課題をこなし、ついでに微分積分の問題も解く。
忙しさがピークだとこんな感じです(笑)
なので、楽して大学を卒業したい人にはオススメしません!
逆を言えば、
しっかり勉強して将来に役立てたい人には超オススメです。
就職の話でもありましたが、機械工学科で学ぶ内容は社会から強く求められています。
せっかく大学に行くのなら将来の役に立つ知識やスキルを身につけたいですよね。
まとめ
機械工学科について理解を深められたでしょうか。
私は機械工学科に入って本当に良かったと思っています!
散々大変さをアピールしてきましたが、実際大学の授業はなんとかなります(笑)
学べる内容、就職の強さ、動機は何でもいいですが、自分で決断して選んだのなら頑張れるはずです。
機械工学科は忙しいですが、非常に充実した学科でもあるので、ぜひご検討ください!
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