【実例】大学院の奨学金免除の基準と配点を公開!難しいって本当?

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大学院の奨学金免除の基準と配点 大学
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大学院生
大学院生
  • 奨学金免除の基準は?
  • 免除者に認定されるのは難しいでしょ?

この記事でわかること

  • 大学院の奨学金免除の評価基準と配点
  • 半額免除者に認定された私の得点
  • 免除者として認定されるコツ

この記事では、大学院の奨学金が半額免除になった私の実体験を紹介しています。

先に実際の評価基準と配点を見たい人はココをクリック

自己紹介

がまくん
がまくん
  • 修士の奨学金が半額免除
  • 工学系の修士卒
  • 元・上場メーカーの開発職
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奨学金免除のよくある誤解

疑問を抱く人

大学のレベルは関係ない

誤解さん
誤解さん

有名大学の学生ばかりでしょ?

大学のレベルは一切関係ありません

大学内での争いになるので東大もFラン大学も平等です。

むしろ偏差値の低い大学の方が奨学金免除を狙いやすいです。

狭き門ではない

誤解さん
誤解さん

一部の優秀な学生だけでしょ?

大学内で上位30%の成績を収めればOKです。

令和4年度の認定結果をみると貸与終了者の31%が免除者に認定されています。

親の収入は関係ない

誤解さん
誤解さん

そもそも、親の収入が高いと奨学金を借りられないよね?

大学院の奨学金は親の収入と無関係です。

大学生:親の収入が基準

大学院生:本人と配偶者の収入が基準

ほとんどの大学院生は奨学金の家計基準を満たしているでしょう(情報元)。

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大学院の奨学金免除とは?

説明を受ける男性

対象者は?

対象者の要件は以下の通りです。

大学院奨学金免除の対象者
  • 大学院生(修士課程・専門職学位課程・博士課程)
  • 日本学生支援機構の第一種奨学生
  • 貸与中に特に優れた業績をあげた学生

修士でも博士でも奨学金免除を狙えます。

ただし、第二種奨学金は対象外です。

免除額は?

免除額は第一種奨学金の全額か半額です。

修士なら最大で211万円が免除されます。

修士課程の免除額の例

修士の第一種奨学金は月額88,000円50,000円です。

月額88,000円の場合
→ 全額なら2,112,000円
→ 半額なら1,056,000円

月額50,000円の場合
→ 全額なら1,200,000円
→ 半額なら600,000円

返還免除者のうち全額免除者は25%半額免除者は75%ほどです。

研究するだけで60万円〜210万円をもらえるのはお得ですよね。

私

バイトよりも研究に打ち込んだ方がいいね

しかも、第一種奨学金は無利子なのでリスクはゼロです。

選別方法は?

大学内で候補者を選び、日本学生支援機構の審議を経て認定されます。

日本学生支援機構の「令和4年度の認定結果」は以下の通りです。

令和4年度中に大学院第一種奨学金の貸与が終了した21,183名のうち、各大学から特に優れた業績を挙げた返還免除候補者として推薦のあった6,838名について、学識経験者からなる業績優秀者奨学金返還免除認定委員会の審議を経て、返還免除者6,626名を認定しました

日本学生支援機構 – 認定結果の概要

令和4年度は候補者6,838人に対して認定者が6,626人でした。

大学内で候補者になれば97%の確率で認定されることになります。

私

大学で「特に優れた業績を挙げた者」に選ばれるのが重要

評価の方針は日本学生支援機構が示していますが、具体的な評価基準は大学によって異なります

いつ免除される?

申請:貸与終了年度の12月〜2月

結果通知:貸与終了の翌年度の7月

一般的な修士の場合
  • M2の12月
    募集開始

    大学が免除希望者の募集を始める

  • M2の1~2月
    大学に申請

    大学に申請書類を提出

  • 修了後の7月
    結果通知

    ハガキにて結果通知

日本学生支援機構によると「申請日」は以下の通りです。

本機構は各大学に対し、4月から翌年3月に貸与終了となる奨学生を対象とする業績優秀者返還免除候補者の推薦依頼を毎年12月に行います。
各大学は、この推薦依頼を受けて学内の申請期間を設定します。具体的な申請手続き・申請期限については、各大学へお問い合わせください。

日本学生支援機構 – 貸与終了時の返還免除の申請から認定までの流れ

学内の申請期間は大学によって異なりますが12月〜2月ごろだと思います。

「結果通知」は以下の通りです。

認定委員会の認定結果について、毎年7月頃に各大学および推薦された申請者に通知します。

日本学生支援機構 – 貸与終了時の返還免除の申請から認定までの流れ
私

貸与終了の翌年度7月にハガキが届いたよ

どこに申請する?

申請先は大学です

大学を通じて日本学生支援機構に申請します。

学生が日本学生支援機構と直接やりとりすることはないと思います。

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奨学金免除の基準と配点

奨学金の返済を抱える人

基本的な評価方法

日本学生支援機構が示す評価方法を要約して紹介します。

詳細は日本学生支援機構『特に優れた業績と評価方法』をご覧ください。

評価方法
  • 研究業績
    学位論文、学会発表、学術論文
  • 著作物
    本、データベース
  • 発明
    発明品、特許
  • 授業科目の成績
    大学院の授業科目の成績
  • 学内外の教育研究活動
    ティーチングアシスタント、研究補助
  • 芸術発表会の成績
    芸術系の大学院生のみ
  • スポーツ競技会の成績
    体育系の大学院生のみ
  • 社会貢献活動
    ボランティアなど
  • 大学の課程を修了できるか
    修業年限内で修了する

評価基準と配点の実例

私が通っていた大学の具体的な評価基準と配点を紹介します。

評価基準と配点の実例

① 研究の業績 60点満点
  ・学位論文:20点満点で評価
  ・筆頭著者で英文論文を投稿:+15点
  ・筆頭著者で和文論文を投稿:+10点
  ・国際会議で発表:+4点
  ・国内会議で発表:+2点
  ・表彰でさらに加点

② 授業の成績 30点満点
  ・GPA×10点(GPA3以上は30点)

③ その他活動 10点満点
  ・TA:1コマあたり+5点
  ・学会などの補助:1活動あたり+5点

繰り返しですが、配点は大学により異なるので注意してください。

半額免除者に認定された私の得点は以下の通りです。

半額免除者に認定された私の得点

① 研究の業績 37点 / 60点
  ・学位論文:+20点
  ・筆頭著者で英文論文を投稿:+15点
  ・国内会議で発表:+2点

② 授業の成績 30点 / 30点
  ・GPAは4.0:+30点

③ その他活動 10点 / 10点
  ・TAは2年間で9コマ:+10点

合計 77点 / 100点 

自力で計算した点数ですが、私は77点 / 100点で半額免除でした。

私

査読付き英文論文を投稿できたのが大きかった

大学内での競争なので研究熱心な学生が多い大学ほど高得点勝負になります。

「研究業績」の部分で差がつきます。

逆にいうと「授業の成績」や「その他活動」で確実に得点しておきたいですね。

大学院で奨学金免除を勝ち取るコツ

万歳をして喜ぶ人

学会発表に複数回参加する

学会発表に参加した分だけ加点されるので定期的に発表した方がいいです。

国際会議で発表すれば、より高得点を狙えます。

査読付き論文を投稿する

論文投稿は学会発表よりも評価されます。

特に英文論文を投稿できれば得点を荒稼ぎできます

よくある誤解ですが、評価されるのは論文の質ではなく投稿本数です。

私

論文誌の難易度は関係ないんだね

査読のハードルが低い雑誌に複数の論文を投稿した方が有利なのです。

確実にGPAで満点を取る

大学院の授業は好成績を取りやすいです。

大学院は授業数が少なくレポートや発表で評価されることが多いからです。

学部でGPA満点を取るのは至難の技ですが、大学院では満点を狙えます。

積極的にTAになる

「その他活動」で得点を稼げるのはTAくらいです。

私

バイトする前にTAになろう

教授に相談しておく

奨学金免除を狙っている旨を教授に相談しておきましょう。

奨学金免除の評価対象となるのは在学中の実績だけです。

論文の査読に時間がかかって受理されるのが大学院修了後になることもあります。

あらかじめ教授に相談しておけば早い段階から論文を書けるかもしれません。

奨学金が免除された先輩の話を聞く

奨学金免除は学内選考がキーになります。

学内選考の評価基準を知っておけばかなり有利です。

私

先輩に聞けば具体的な評価基準がわかるかも

奨学金免除者の先輩がいれば話を聞いてみてください。

研究室選び

これから大学院に進学する人は研究室選びが非常に重要です。

研究室によって学会発表や論文投稿の活発さが大きく異なるからです。

奨学金免除を狙っている人は慎重に研究を選びましょう

まとめ

この記事では、大学院の奨学金が半額免除になった私の実体験を紹介しました。

奨学金免除と聞くと一部の優秀な学生にしか縁がないと考えがちですよね。

確かに学部生の奨学金免除は狭き門かもしれません。

しかし、大学院では大学の中で上位30%になればいいので狙い目です。

大学院の奨学金は親の収入と無関係なので費用面で院への進学を躊躇している人は奨学金免除を狙ってみてください

今回紹介した評価基準を参考に大学院生活を過ごせば免除される確率がアップするはずです。

コメント

  1. てんぷ より:

    突然のコメント失礼いたします。
    私は某国立大学理系の修士課程1年のものです。
    非常に有益かつ分かりやすい解説ありがとうございます。

    1点質問をさせていただきます。
    私事ですが、前年に国内の学会発表を経て同学会誌に査読付き論文を投稿したことから、修士課程での奨学金について少しばかり視野に入れております。
    当該記事の中で、「いつ免除される?」というトピックがございますが、これは修士課程で修了する人についてでしょうか?すなわち、私の場合は修士2年の12月(=今年の12月)から学内にて免除希望が開始され、修了して就職後に結果が通知されるということでしょうか?

    初歩的な質問で申し訳ありませんが、ご返信いただければ幸いです。

    • がまくん より:

      てんぷさん、コメントありがとうございます。

      一部の引用元リンクが無効になっていたので更新しました。申し訳ありません。
      詳しくはリンク先を参照していただくとして、一応回答させていただきます。

      ①「いつ免除される?」というトピックがございますが、これは修士課程で修了する人についてでしょうか?
      >>修士、博士ともに申請から認定までの流れは同じようです。

      ②私の場合は修士2年の12月(=今年の12月)から学内にて免除希望が開始され、修了して就職後に結果が通知されるということでしょうか?
      >>そうだと思います。一般的には学内手続きが24年12月から25年2月、結果通知が25年7月ごろです。返還開始は25年10月ごろなので、返還開始前には結果が通知されるはずです。

      実際に免除の手続きをする際には、大学や日本学生支援機構が発信する情報をご参照ください。
      それでは、研究頑張ってください!

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