- 主婦 / 主夫は孤独?
- 主婦 / 主夫は社会との接点がない?
この記事でわかること
- 専業主婦 / 主夫の孤独感
- 専業主婦 / 主夫の所属欲求
- 専業主婦 / 主夫に向いている人の特徴
この記事では、専業主夫1年目の私が主婦 / 主夫の孤独感について語っています。
自己紹介
- 新卒1年目で会社員から専業主夫に転職
- 大黒柱妻との二人暮らし
主婦 / 主夫は孤独との闘い
主婦 / 主夫になると人との関わりが激減します。
それは家族以外に所属する組織がなくなるからです。
会社員は同僚や取引相手など多くの人と一緒に仕事をし、既婚者であれば家でも家族と関わります。
学生も学校ではクラスメイトや部活仲間と関わり、家に帰れば親や兄弟がいます。
一方、主婦 / 主夫が日常的に関わりをもつのは家族だけです。
もちろん、友人との遊びや習い事に行けば家族以外とも関われますが、それは非日常です。
主夫生活の9割以上の時間は家族と過ごすといっても過言ではありません。
孤独なうえに承認もされない主婦 / 主夫
多くの人は常に何かしらの組織に所属して生きてきたと思います。
学生のときは学校に、就職してからは会社に所属していますよね。
組織に属していれば自分は集団に属しているという社会的アイデンティティを得られますし、与えられた課題をこなせば周囲からの承認も得られます。
私たちは組織内で自分の役割を全うすることで、「組織の一員であること」「自分の存在が認められていること」を実感するのです。
自分は〇〇株式会社の一員だ
自分は〇〇大学の一員だ
自分は〇〇部の一員だ
一方、専業主夫が属している組織は家族だけです。
私のように夫婦二人暮らしの場合、構成員は自分と配偶者の2名だけです。
また、主夫の仕事はマイナスをゼロに戻すことばかりなので、実績が認められて褒められることは少ないです。
掃除を例にあげると、きれいな状態が普通で、汚くなってから初めて気づかれます。
毎日掃除している時は気づかれないのに、掃除をサボり出したら気づかれるのです。
「やっても褒められないが、やらないと貶される」という厄介な仕事です。
ちなみに私の妻は積極的に褒めてくれますが、私が報告しないと気づかれないことも多くあります。
主夫は所属する組織が限られるだけでなく、仕事を通じて周囲から認められることも少ないのです。
人間には所属欲求がある
人間は誰しも所属欲求をもっています。
所属欲求とは他者とのつながりを構築・維持したい、他者に受容されたいという基本的欲求です。
過去、人間は飢えをしのぐために良好な人間関係を築き、小集団に属さなければなりませんでした。
その結果、所属欲求の強い者のみが生き残り、現代を生きる私たちも当然のように所属欲求を持っているのです。
ただし、所属欲求の強弱には個人差があり、少ない人間関係で満足できる人もいます。
一切の人間関係を断ち、真の意味で一人で生きていくことは不可能ということです。
所属欲求の詳細が気になる人は、Baumeister & Leary(1995)の論文を読んでみてください。
主婦 / 主夫は所属欲求を満たせるのか
気になるのは「主婦 / 主夫は所属欲求を満たせるのか」という問いです。
私は現在、会社にも学校にも所属していませんが、人間関係において物足りなさを感じたことはありません。
ここで一つの仮説が立てられます。
仮説:主婦 / 主夫が抱く孤独感は所属欲求に依存する
今回は仮説を調べるにあたり、私の所属欲求の強さを診断してみました。
選択理論心理学
今回は、選択理論心理学にもとづいて所属欲求を診断しました。
選択理論心理学とは、アメリカの精神科医グラッサー博士が提唱した理論で、人間は遺伝的に5つの基本的欲求をもっていると考えます。
5つの基本的欲求
生存:生命を維持したいという欲求。食事、睡眠、安全、健康。
愛・所属:他者とのつながりを求める欲求。組織の一員、協力。
力:なにかを達成して認められたいという欲求。承認、達成、貢献。
自由:自分のやりたいようにしたいという欲求。変化、自分らしさ、束縛のなさ。
楽しみ:新たな学びを求める欲求。好奇心、探求、ユーモア。
5つの基本的欲求の中のひとつが「愛・所属の欲求」です。
愛・所属の欲求の強弱によって、専業主婦 / 主夫の孤独の感じやすさが変わりそうですね。
専業主夫である私の所属欲求
早速、私の基本的欲求の診断結果を紹介します。
診断はこちらのサイトでやりました。
それぞれの欲求の強弱を5段階で判定してくれます。
ご覧のように、愛・所属の欲求は最低レベルでした。
*主夫の孤独感と所属欲求の関連性について仮説を立てる前にテストを受験したので、バイアスは少ないと思います。
私が孤独を感じないのは愛・所属の欲求が弱いからと推察できます。
「主婦 / 主夫が抱く孤独感は所属欲求に依存する」という仮説を立証するひとつの材料になりそうです。
また、私は力の欲求も弱めなので、成果を承認されにくい主夫業との相性も良さそうです。
現段階での私の結論としては、
愛・所属の欲求が弱い主婦 / 主夫は孤独を感じる可能性が低い
ということです。
主婦 / 主夫に向いている人
5つの基本的欲求をふまえて、主婦 / 主夫に向いている人の特徴を考えてみました。
愛・所属の欲求が弱い
主婦 / 主夫は人との関わりが少ないため、孤独を感じやすい環境に身を置くことになります。
愛・所属の欲求が強い人が主婦 / 主夫になったら、欲求不満に陥りやすいでしょう。
いろいろな人と交流したい
組織の一員として協力したい
逆に人との関わりを求めず、組織に属したくない人は主婦 / 主夫の適性がありそうです。
内向的な人、帰属意識の低い人は主婦 / 主夫になっても孤独を感じにくいと思います。
生存の欲求が強い
主婦 / 主夫の仕事は日々の生活に関わることばかりです。
食事の準備、掃除、洗濯、買い物など家庭の衣食住を一手に担います。
衣食住や健康に強い関心がなければ、日々の家事を苦痛に感じてしまうでしょう。
生存の欲求が強い人の方がストレスなく家事をこなせそうです。
自由の欲求が強い
主婦 / 主夫は、その日やることとスケジュールを自分で考えなければなりません。
最低限上司から言われたことをやれば文句を言われない会社員とは違います。
以下、私が主夫として自主的に考えていることです。
主夫が毎日考えることの一部
- 洗濯物の残量と、今日以降の天気を踏まえて洗濯するかを決める
- 効率的な掃除の順番
- 消耗品の残量を確認して、買い足す必要があるかを決める
- 栄養バランスを考慮して、献立を決める
- その日安売りの食材から、献立を決める
- 過去数日間の食事と被らないように、献立を決める
他にもたくさんありますが、献立を決めるのがとにかく難しいです笑
人から指示されることがないので、なにをどの順番でやるか自分で決めて実行しなければなりません。
私は指示されるのが嫌いで、自分の好きなようにやりたい自由の欲求が強いので、毎日楽しく家事をやれています。
まとめ
この記事では、専業主夫1年目の私が主婦 / 主夫の孤独感について考えてみました。
結論として、主婦 / 主夫は孤独を感じやすい職業ですが、所属欲求の弱い人だと快適な主夫ライフを送れると思います。
小学校から高校あるいは大学までを学校で過ごし、卒業後は会社に就職して定年まで会社員を続けるのが一般的ですよね。
つまり、多くの人はどこかの組織に所属して生きていく時間が圧倒的に長いのです。
私のように会社員を辞めて主夫になると、急に組織に属さない自由の身となり不安を感じるかもしれません。
しかし、全ての人が所属欲求が強くて組織の属していないと不安に陥るとは限らないので、自分自身の特性にもとづいて考えるのがいいですね。
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